ETPの概要と魅力

修了者・教員へのインタビュー

ETP修了者から見た日本のビジネス(修了者の声)

過去30年以上に渡る歴史を持つETPでは、同窓会を組織化しています。毎年ボードメンバー(幹事)を選出し、会を運営、毎年ネットワーキングイベントなどを開催しています。修了者が日本でビジネスを行う上で、ETPのネットワークが大きな力になっています。
下記に日本で活躍するETP修了者にETPと日本のビジネスについて語ってもらったインタビューをご紹介します。

ロフラード・マイケル氏:ETP22期
ウルトジャパン株式会社代表取締役社長
フィリップ・ハーダー氏:ETP23期
NSK Europe GmbH / Marketing & Sales Europe/Russia General Manager (現ドイツ在住)
Q.質問1 ETPはどのようにあなたのビジネスに貢献してきたか
A.ネットワークづくり(ロフラード・マイケル氏)
ビジネスを展開するその国の言葉の理解とビジネス文化の理解は、ビジネスの成功には必須である。その両方を提供してくれたETPはパーフェクトなプログラムだった。さらに、会社法、税制、労務などの新しい会社を設立する際の基本的なツールを学べた。特に重要だったのは、日本でビジネスをするネットワークを提供してくれたことだ。ETPの同窓会組織を通じればほとんどの企業にコンタクトができる。
A.言外の意味の理解(フィリップ・ハーダー氏)
来日前から基本的な日本語を学び、歴史・宗教なども含め日本文化の勉強もしてきたが、実際に日本に来てETPで学んでみると日本の実態は想像を超えて深かった。ETPでは日本のビジネスや日常の思考を詳細に学ぶことができ、その理解が日本人社員と働く際に役に立った。
例えば、何か気になることがあっても、ドイツ人に比べ日本人はあまりはっきり言葉にしたり表情に出したりしない。そうした曖昧さは欧州人とビジネスをする上で様々な誤解を生んでしまう。しかし、そういった日本人の、言葉にならない兆候、言外の意味をある程度解釈できるようになったことで、そうした問題の根源に切り込んで適切に対処できるようになった。
Q.質問2 日本でビジネスをするにあたっての成功要因は何だと認識するか
A.基本は日本語(ロフラード・マイケル氏)
基本はやはり言葉だろう。ペラペラであることが大事なのではなく、日本語でコミュニケーションがとれることで相手も安心してくれることが大事。
もう一つの成功要因はその業界独自のプロセスの理解とネットワークの構築だ。我々は直接的にコンタクトをして近道をしたくなるが、それではかえって時間が掛かることも多い。その国のビジネス様式には何らかの理由があり、その作法を無視するのは賢いやり方ではない。もちろん我々は常にパフォーマンスを改善するためにいろいろ考え、工夫し、やり方を変えなくてはならない。しかし、あまりに過激に進めるのは必ずしも成功に結び付かないことをETPで学んだ。
A.チームの団結力(フィリップ・ハーダー氏)
欧州企業としての成功要因ということであれば、下記の4つが考えられる。

  • チーム団結力を意識すること
    個別に責任(職務)を明示する際にも、チームとして共通のゴールとの整合性を意識しながら担当させる。
  • 強いリーダーシップ
    欧州型の強いリーダーシップとチームの団結力を支持することのバランスを上手く取ること。
  • 最上級の顧客サービス
    品質管理と顧客ケアへのフォーカスで長期的な信用を得ること。
  • 本社との強固な関係(特に研究開発、マーケティング、コーポレートガバナンスなどの面で)
    本国の研究開発力を日本に注力させて、差別化要因にできれば強い。
Q.質問3 日本のビジネス・企業と接してきて驚いた点、良いと思った点
A.長期的な志向(ロフラード・マイケル氏)
実は驚いたという点は特にないのだが、日本の企業の良い点はその長期的志向。もちろん株主からの効率化プレッシャーは強いが、日本企業はその時々の“経営の流行”に簡単に左右されず、財務的な指標だけで意思決定しない。危機的状況でも企業が最後まで社会的責任をなんとかまっとうしようとすることで日本社会の安定が保たれてきたようだ。多くの欧州企業よりも日本企業の方が人(従業員)への配慮をしていると感じる。
A.独自の品質、規制の基準(フィリップ・ハーダー氏)
ドイツでは、よりアグレッシブなコミュニケーションスタイルをとることが多いが、日本では間接的な手段で、すべてのステークホルダーを巻き込んで意思決定する。このため、結論を出すのに非常に時間が掛かるのに最初は驚いた。次に、いったん意思決定がなされたらその実行は素早いことに驚かされた。ドイツでは意思決定がされて、ことが始まってから、いろいろ議論が始まり押し戻されることが多い。日本が様々な製品・サービスで独自の品質や規制基準を持っていることにも驚かされた。国内では顧客がその品質の高さを享受できるのでよいのだが、事業分野によってはそれ故の高コストがグローバル化を阻害しているように感じるときもある。欧州企業にとっては日本基準に合わせようと励むことで、日本以外の国のマネジメントや製造プロセスにも、高品質のカルチャーが伝播するのはメリットだろう。
日本企業の優位性の源泉の一つは顧客の期待に合わせてカスタマイズすることだ。欧州企業も顧客企業のニーズに合わせようとはしているが、ある程度、制限を設けている。分野や規模にもよるが生産プロセスの効率化や収益性を考えると、日本企業もカスタマイゼーションをどこかで制限する必要があるのではないだろうか。